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「明星の騎士は今宵王妃を抱く」を読んで

にじいろ

こんばんは。
今日は一年前に読んだ電子書籍のご紹介を兼ねて、感想を書こうと思います。

目次

明星の騎士は今宵王妃を抱く

  • 恋愛小説、ティーンズラブ小説
  • 著者
    root-M先生
  • 発売日
    2022年10月14日
  • 出版社(レーベル)
    アマゾナイトノベルズ
  • デバイス
    電子

あらすじ

輝くような美貌の持ち主で、「明星(みょうじょう)の騎士」と呼ばれていた王国近衛騎士のカラフは夏のある日、王から「地方で静養中の王妃の護衛任務」を命じられる。
一年前に嫁いできた王妃は幼いころからの知り合いであり、冷めきった夫婦関係から笑顔をなくしていく王妃を、カラフは密かに心配していた。

王命に従い静養地へ向かったその日の夜、カラフは手紙で「夜のお誘い」を受ける。
女官か誰かだろうと誘いを受け入れ、部屋に訪れた人物を招き入れたカラフだったが、なんと訪れてきたのは王妃だった。

「幼い頃からお慕い申しておりました。どうか今夜一晩だけ、あなたのものにしてください」

一度は拒否をするも、王妃の切実な想いに心打たれたカラフは、甘く熱い夜を過ごす。
一晩限りの関係だったはずが、お互いのことが頭から離れず、二人は禁断の関係に溺れていく。
そうして夏の間、激しく求めあった二人だが、静養地から戻り「王妃」と「護衛騎士」の関係に戻ったはずだった… …。

amazonKindle作品ページより

感想

表紙が好みだったのと、作者のメッセージに惹かれて読みました。
王妃と騎士(顔だけが取り柄)の不倫を描いたファンタジー小説。語彙が豊富で美しく、とにかく官能的です。

ただ、これは不道徳な不倫を描いただけの恋愛小説ではありません。
この小説の素晴らしい点は、情事の生々しさに二人の感情の機微の描写が伴っているところだと思います。

王妃自身の願望と王・侍女の画策によって逢瀬を重ねる二人。
王妃も騎士も、どこかその地位や立場に必要な自覚や覚悟に欠けている。そして、二人が不倫に堕ちていくよう仕向ける王も王たる素質を疑ってしまう人物です。

しかし、それがそれぞれの欠点というよりも人間らしい魅力でもある。人間はきれいごとばかりでは生きていけない。実は欲深くて利己的。そんな生々しさも感じます。

物語の結末は賛否両論、感じ方も人それぞれだと思うけれど、私はハッピーエンドだと思いました。
王妃が好きな人の前で本来の笑顔を見せるシーンは、心にぐっとくる感動を覚えます。

王と侍女がたどる仄暗い運命もとてもよかったです。
でもこれは、俗にいう「ざまぁ」ではないんですよね。因果応報。ファンタジーの中にとてもリアルな感情をいだきました。

実はこの小説、Web小説だったんですね!
電子書籍を読んでからそれを知って、投稿サイト版を拝読しました。
気になった方は、ムーンライトノベルズさんで同タイトルを検索してみてください。

Web小説版もいいです。
でも、オススメするとしたら電子書籍でしょうか。加筆、修正されてより深い物語になっています。

気づいたら初めて読んでから一年たってた!
ほんと月日がたつのは早いです。

ゆっくりとした休日の読書タイムにぜひ、おすすめの小説です。

配信サイト

にじいろ

ほかにも電子書籍の配信サイトで配信されていると思いますが、私はKindle派なので…

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この記事を書いた人

普段は医療者として真面目に働き、その息抜きにテキストサイトで小説を書いています。読書も好きなので、こちらでは読んだ本の感想などを綴っていきます。

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